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京山々・家づくり考

 

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京山々・家づくり考
・・・家づくり考の視点・・・

 住宅の性能の向上は、様々な視点から論じられています。京山々・木の家づくりの会では、日頃の家づくりの現場で起きるお施主さんの疑問にお答えしています。
 この「家づくり考」では、こうした疑問にたいしての共通の見解が必要と思われる事項について、順次、解説をしていきたいと思います。技術は日進月歩ですから、新しい技術、正確な情報、役に立つ技術などを記載していきます。疑問や質問があれば、京山々・木の家づくりの会(mail@kyo-sanzan.jp)までお便りをお寄せ下さい。出来る限りの対応をしたく思います。

01 〜新断熱材の性能とコスト比較〜
 断熱材の選定は、隠れてしまう見えにくいコストであり、後から変更できない部位なので、慎重に選ぶ必要があります。断熱材の良否によって、冷暖房コストは確実に違い、内部での肌で実感する暖かさや寒さが異なってきます。

 建築物における断熱材として広く用いられている、「グラスウール」の経年変化での劣化が、今、問題視されています。30年以上経た建物のグラスウールは、ペシャンコになっています。しかしそれに代わる断熱材については、一定の見解がまだありません。家の寿命が30年ではなく、100年単位で考えるようになって、断熱材が話題となり、この視点に立った時に、何を選ぶかについては定まっていないようです。

 そこで次世代の断熱材を考えるには、@劣化問題、A内部結露、Bコストの順に比較することが良いように思います。遮音性能(吸音性能)や施工性を、比較検討の対象とする場合もありますが、やはりグラスウールの代替として考えるには、壁・天井の断熱性能を比較の対象とすることが一般的だと思います。床は施工性や下地材との関係から別途考えると良いでしょう。

 一軒の家で壁・天井断熱材に割く費用は、グラスウールの場合、一般的な住宅(延べ床面積40坪)で20万円前後です。長期優良住宅仕様で高性能グラスウールの場合、壁は密度が16kg/m3、厚さは90mm必要で、天井で200mm必要です。このコストは、約56万円/1軒です。今までの一般的に用いられていた断熱材か、長期優良住宅が求める断熱材かのどちらを基準とするかは、人によって異なると思います。こうしたグラスウール断熱材に対して、長期的な視点で性能重視を考慮した断熱材に、@セルロースファイバー、A羊毛(ウールブレス)、Bパーフェクトバリア、などがあります。

 この中で、一押しはウールブレスだと思います。ウールブレスには、バージンウールとリサイクルウールがありますが、リサイクルウールの方がコストバランスは良いようです。ウールブレスという断熱材は天然の羊毛で出来ていますので、調湿性が高く、壁の中で水分を保水することが出来、内部結露を起こさない、いわゆる「呼吸する壁」になります。(水分を貯めたり出したりする力があります。)ウールブレスは、「防湿シートを設置しなくても、壁体内での結露を発生させることが無い。」と国土交通省の認定を得ています。(防露認定877) これにより、防湿シート(防湿気密層)の設置が不要なのです。課題はコストです。しかし、グラスウールに代わる新しい断熱材の中では、リーズナブルな価格です。今までの断熱材のコストに比べて3倍弱はかかるのですが、家の断熱性能という基本性能の向上を考えるなら、必要なコストだと言えるかもしれません。
セルロースファイバー ウールブレス パーフェクトバリア
セルロースファイバー ウールブレス パーフェクトバリア
   左:リサイクルウール
           右:バージンウール
 


       ※断熱材比較表 (2011.03.22)
セルロースファイバー 羊毛 パーフェクトバリア グラスウール 備考
回収された新聞古紙を主原料に防燃・撥水性能を付加した断熱材 天然繊維である羊毛を80%リサイクルポリエステル繊維を30%使用して製造された断熱材 ペットボトルのリサイクルによる再生ポリエステル繊維で作られた、エコロジーで、安全, 安心な断熱材 短いガラス繊維でできた、綿状の素材である。建築物における断熱材として広く一般的に用いられる断熱材
商品名 デコス 100mm ウールブレスR-110 スタンダード
13K耳付 100mm
高性能グラスウール
16K 100mm
熱伝導率 W/mk 0.038 0.034 0.045 0.038 熱の伝わりやすさ。 →熱伝導率が低い方が断熱性能は高い。
透湿抵抗 
      u・hmmHg/g
1.34 0.84 2.39 1.23 水蒸気の通しにくさ。 →数値大:取り込まれた湿気の放出されにくい。
吸湿性   15.0% 34.0% 0.40% 0.30% 吸湿(調湿)しやすさ。 →数値大:水分保持力がある。吸湿性があると、ある程度まで内部結露をしにくい。
難燃性 防燃処理 自己消火 自己消火 自己消火
有毒ガス 有毒ガス発生なし 有毒ガス発生なし 有毒ガス発生なし 梱包ビニル接着材から出る
コスト 2.86
(\790,000)
2.14
(\590,000)
2.19
(\610,000)
1.0
(\280,000)
長期優良住宅仕様でグラスウールを1.0とした場合の概算コスト比較
(※比較対象仕様:木造2階建ての延べ床面積116u(35坪)の建物の屋根部:t=185mm 屋根面積:約231u,壁部:t=90mm 壁面積:約102uの場合)
吸音性 ◎  93% ○  80% ○  84% ○  84%
経年変化
特記 ■セルロースファイバーと羊毛は、吸放湿をすることで、ある程度まで内部結露が起きにくい性質をもつ。  
  一方、パーフェクトバリア・グラスウールは、吸放湿性はほとんどないため、気密・通気をしっかりすれば、内部結露を防ぐことが
  できる。
■セロースファイバーは、吸音性が高く、音楽室などにも用いられている。